「動物病院の経営にコンサルタントは必要なのか」「動物病院の経営にコンサルタントを入れる価値は何なのか」など考えたことはないですか。一口で動物病院の経営と言えど、コロナ渦や競合他社との争いなど、壁はたくさんあります。
また動物病院は動物を扱うこともあり、感染症のリスクや設備投資にコストがかかるなど、お金面での不安も何かとつきものです。
本記事では動物病院の経営をサポートしてくれるコンサルタントの必要性や役割、コンサルタントの選び方について詳しくご紹介していきます。すでに動物病院を経営している方やサポートを希望したいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
動物病院の経営にコンサルタントは必要かどうかですが、必要といえるでしょう。動物病院を経営していると、お金的な悩み(売上や設備投資など)・人材確保や育成面での悩みなどがあります。
しかしそれらの悩みは一次的なものではなく、定性的であることが一般的です。経営コンサルタントがいることで定性的な悩みをスピード感持って解決に運べるでしょう。
目的を果たすためだけの経営コンサルタントもいるので、動物病院として成長できるかどうかを一番に考えてくれるコンサルタントを見極める必要があるのです。
ここからは一口にコンサルタントと言えど、様々な種類があります。詳しくご紹介していきます。
開業コンサルタントとは、動物病院の開業をサポートするコンサルタントです。動物病院を開業するためには様々な課題があります。
例えば「設備や医療機器の調達」「物件の選定」「開業する土地の調査・選定」「内装」などを決めなければなりません。これらのサポートも開業コンサルタントならしてくれます。これらに合わせて、開業を進める先生はスタッフの採用や育成もしなければなりません。
開業コンサルタントにサポートしてもらいながら進めることができれば、負担も少しは減るといえるでしょう。
最近では金融機関や設備会社、建築系の会社が統合し、セミナーを行っていることもあります。一度に三者の話が聞けるのはとても効率的なので、参加する先生も増えているのが現状です。
財務コンサルタントとは、お金まわりのサポートをするコンサルタントです。税金・会計のことを税理士が中心になってサポートするので、お金の知識に自信がない経営者の方は積極的に取り入れる傾向があります。
最近では税理士のコンサルタントが増えていますから、コンサルタント選びは見極めが重要です。
動物病院の経営において、キャッシュフローを明確化し、安定化を図れるのが魅力。とはいえ、動物病院のお金周りをすべてオープンにし、いくら余裕があるのか、予算の兼ね合いなどをすべて把握されるのでリスクもあります。
戦略コンサルタントとは、経営者に向けて中長期的な事業計画やその立案、効果的なマーケティング戦略などを提案し、サポートするコンサルタントです。後述する総合コンサルタントと似ているものの、具体的な仮説を立て実行するなどPDCAを回し、最適化を行っていきます。
動物病院を経営するにあたって、戦略面において不安があるという方には特におすすめです。
コロナ渦の影響もあり、ペット業界は好調ですからその分動物病院の争いも激化しています。その中でいかに競合他社に負けない戦略を打ち出していくかは、動物病院の未来を決める重要な要素の一つです。
総合コンサルタントとは、人材の育成やマーケティング、コスト面など経営におけるすべてのことをまるっとサポートしてくれるコンサルタントです。領域を絞らず、幅広くみてくれるので、開業予定何から手をつけたらよいかわからない、初めて動物病院の経営をするといった方におすすめ。
とはいえ、最近では「コンサルタント」という業種の方が急激に増えてきており、一人ひとりの質の低下がみられているといわれています。そのため、選ぶときは知人から紹介など信頼性のある方に頼むのが安心でしょう。
ここからは動物病院にコンサルタントがきたときに、やってくれることを具体的にご紹介していきます。
コンサルタントが参画すれば、動物病院のコンセプトの立案や具体的な目標設定などを決めてくれます。
経営方針は長い目で見たときに失敗できないポイントの一つです。ブレないようしっかり決める必要があります。
関連記事:動物病院の開業で失敗する原因と成功させるポイントも解説
コンサルタントがやってくれることの一つが「事業計画書の作成」です。事業計画書とは、金融機関に融資を依頼する際などに用いられ、事業の方針やビジネスモデル、競合の状況、資金の調達方法や計画などを記載します。
動物病院を経営していく上でのコンパスの役割になってくれるので、一人で考えるよりもコンサルタントと一緒に考えた方が安心できます。
いざ動物病院を開業するとなると、自己資金ですべてをまかなえればよいものの、資金調達が必要になることがほとんどです。どれくらいの額の資金調達が必要なのか、それ合わせてどのように交渉すればよいのかは、プロであるコンサルタントに任せた方が有利に進めることができるでしょう。
また金融機関とのやり取り・交渉は専門的な知識も要するので、そのような面でもコンサルタントがいる方が安心です。
コンサルタントの専門領域として「広告戦略の立案」も役割の一つです。動物病院の経営を成功させるには、多くの人に病院の存在を知ってもらい、そのうえで来院してもらうことが欠かせません。
そのためには適切な広告を打ち出す必要があります。どの層にどのような広告を、どのような業者を使って…などを検討するのです。コンサルタントがいればそのようなマーケティング・広告戦略も適切に行ってくれます。
動物病院は経営者一人ではできません。スタッフの採用、スタッフの質は、病院のイメージを大きく決定づけることになるので、慎重に行いたいところです。
どのようなスタッフを集めるのか、またどのような価格帯で雇うのかなどもコンサルタントと一緒に決めたいほか、実際の面接に同席してくれるのかも確認しておいた方がよいでしょう。
動物病院の開業時には、国や地方自治体から補助金や助成金のサポートを受けることができます。なかなか身近にないそれらの申請なども、コンサルタントがいれば一緒に申請作業をしてくれます。
また「そもそももらえるかどうか分からない…」など補助金等の申請の要件を満たしているかなどの確認もしてくれますよ。
ここからはコンサルタントの選び方について解説していきます。
コンサルタントを選ぶときに必ずチェックしてほしいポイントが「実績の多さ」です。
各コンサルタント会社のホームページには、実績数などを記載している会社もあります。動物病院に関わるコンサルタントをしたことがある企業だとある程度安心できます。
実績が多いことでより質のよいアドバイスがもらえたり、過去のデータをもとにしたフィードバックをもらえたりするのでおすすめです。
コンサルタントを選ぶときは「得意分野」で見極めるのもおすすめです。前述したようにコンサルタントには戦略・財務・開業など様々な種類があります。
すでに開業したあとに開業コンサルタントに依頼するのはおかしいですし、顧問税理士がいるのに財務コンサルタントに依頼するのはもったいないです。
このように今の状況に合わせてどのコンサルタントが必要なのか、足りない部分を補ってくれるようなコンサルタントを選ぶことが大切です。
コンサルタントを選ぶときは、相性がとても重要です。
例えばしっかり話を最後まで聞いてくれる、理論に基づいて提案してくれる、話がわかりやすいなどです。「当たり前じゃん…!」と思うかもしれませんが、実はこの基本ができていないコンサルタントは意外と多いんです。
コンサルタントも人間ですので間違った提案をしてくることもあります。データや理論に基づいた提案をしてくれれば安心感につながりますし、わかりやすい話し方は信頼につながります。
このように経営者にとってぴったりの相性のコンサルタントを選びましょう。
今回は動物病院を経営するうえでコンサルタントは必要なのかどうかについてご紹介してきました。
コンサルタントというと少し胡散臭い…と思われるかもしれませんが、専門的な知識を持ったコンサルタントは動物病院の経営の成功をサポートしてくれます。
中には名ばかりともいえるコンサルタントもいるので、自分の目でしっかりと確かめてから依頼するようにしましょう。