動物病院を開業して軌道に乗せていくためには、院内マネジメントが重要です。また、開業をした後も継続して実践していきましょう。
ここでは、動物病院の院内マネジメントに興味がある方のため、重要な理由や、メリット、具体的な実践方法を解説します。
この記事を読むことによって院内マネジメントによって期待できる効果や、実践する際のポイントがわかるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
院内マネジメントとは、優秀なスタッフを育てるためのマネジメントのことをいいます。適切に院内マネジメントを行うことによりスタッフが個々の実力を発揮しやすくなるほか、働きやすい環境を目指し、退職を防ぐ効果も期待できるのが魅力です。
一方、院内マネジメントを行わずにいるとスタッフの質が低下したり、次々と退職されてしまったりします。
動物病院において院内マネジメントが重要とされているのは、スタッフにとってやりがいや働きがいのある職場環境が目指せるからです。スタッフのやる気が出て真剣に業務に取り組めるようになれば、顧客満足度も上がります。
つまり、飼い主の方々からの評判が良くなり、売上向上にもつながるポイントです。
長く動物病院の良好な状態で継続していくためには安定した収入が欠かせません。そのために効果的なのが院内マネジメントといえるでしょう。
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院内マネジメントを実施することにより、さまざまなメリットが期待できます。ここでは、代表的なメリットについて3つ解説します。
院内マネジメントによって、スタッフのモチベーションを上げる効果が期待できます。具体的な院内マネジメントの方法は後ほど紹介しますが、院内マネジメントではスタッフの働きを評価したり、適切な指導を行ったりすることが重要です。
普段の頑張りが適切に認められれば、それだけでもモチベーションアップにつながるでしょう。
何となくではなく、日々の業務に目的や目標を持って取り組めるようになり、顧客への対応の質も良くなることが期待できます。評判の良い動物病院を目指していくためにも、スタッフのモチベーションを上げることは欠かせません。
院内マネジメントにはさまざまなやり方がありますが、スタッフの教育体制を整えるのはぜひとも実践したいことの一つです。教育体制が整っている現場で働ければ、スタッフは業務のやり方や内容について深く理解できるため、効率の良い業務にもつながります。
また、自分が行う作業や対応に自信を持つこともできるでしょう。さらに、一人ひとりのスタッフが優秀になれば、新人が入ってきたときも先輩による指導が可能です。
院長が直接指導をする必要がなくなるため、指導はスタッフに任せ、自分は診療に集中できます。
効率よくスタッフが教育できるようになって動物病院の評判が良くなれば、それだけ収益にもつながるでしょう。
院内マネジメントでは、獣医師とスタッフや、スタッフ同士が仲良く協力して働けるような体制を築いていくことになります。こういった環境を実現できれば、円滑にコミュニケーションを取ることが可能です。
コミュニケーションによって良好な関係を築いていくことにより、雰囲気の良い動物病院を目指すこともできます。一方、院内でコミュニケーションがうまく取れていないと思わぬミスに繋がってしまうことも多いです。
来院した飼い主の方にもそれが伝わり、クレームに発展したり、他の動物病院に移られたりする可能性もあります。院内マネジメントに取り組み、病院内でしっかりとコミュニケーションが取れるようにしていきましょう。
具体的にどのような形で院内マネジメントに取り組んで行けば良いのでしょうか。以下のような方法があります。
動物病院を開業する際、理念やコンセプトを決めたはずです。これらの共通理解が果たせていないと感じているのであれば、理解を求めることから始めましょう。
自分の考えを押し付けてしまうのではなく、考えなどを伝え、共感してもらうことが欠かせません。
中には「院内の壁に理念を貼っているし、みんな理解してくれているはず」と考えている方もいるはずです。ですが、興味を持っていなければ頭には入りません。
理念やコンセプトは、言い換えてみれば動物病院にとってのゴールであり、一致団結して取り組んでいくべき目標です。それぞれが理念やコンセプトを理解することにより、動物病院として目指している姿に近づけます。
スタッフの配置は、適材適所の意識が重要です。それぞれ得意としていることや不得意としていることがあるはずなので、それを見極めて適切な役割に就いてもらいましょう。
苦手な業務ばかり与えられてしまうと、モチベーションを低下につながってしまう恐れもあります。
本人から直接希望を聞いてみるのもおすすめです。また、実際にスタッフを配置した後も定期的により良い配置について見直すことをおすすめします。
スタッフと積極的にコミュニケーションを図ることも重要です。スタッフと距離があると感じているような場合は特に意識しましょう。
普段からコミュニケーションを取ってスタッフとの距離を縮めておかないと、共有したいことや改善して欲しいことなどがあったとしても、なかなかうまくいきません。
院内コミュニケーションを良好な状態にしておくことにより、動物病院全体の雰囲気を良くすることにもつながります。
信頼できるスタッフは、教育係として育成していくのがおすすめです。常に現場を見てくれる優秀な教育係がいれば、獣医師の負担も少なくなります。教育係には誰もがお手本として目指したいと思うような人物を選択することが重要です。
また、単純に仕事ができる人を教育係として選ぶのではなく、これから成長を願うスタッフを教育係に任命するのも一つの方法です。
教育係自身も他のスタッフに指導をしながら業務内容への理解を深めてもらうことができます。さらなる活躍が期待できるようになるでしょう。
動物病院の院内マネジメントでは、風通しが良い環境を作ることをおすすめします。風通しが良い環境とは、それぞれが自分の意見を出しやすく、相手の様子をうかがったりする必要がない職場をいいます。
また、良好な人間関係を築くことも風通しが良い環境を作る上で欠かせません。
自分の意見を言い出しやすい環境を作れれば、不満やわからないことなどがあったとき、誰かに相談しやすくなります。また、コミュニケーションが活発に行われるようになるため、動物病院をより良いものにしていくための意見なども出しやすくなるでしょう。
風通しが良い環境を作る方法はいろいろありますが、例えば積極的に挨拶するだけでも変わってきます。社内で雑談しやすい場所を作ったり、スタッフ全員が楽しめるイベントを開催したりするのもおすすめです。
院内マネジメントの一環として、セルフマネジメントにも取り組みましょう。セルフマネジメントとは、自己管理のことです。
獣医師の場合、スタッフだけに要望を伝えるのではなく、自分自身が能力を発揮できるように取り組んでいきます。
例えば、精神状態や健康状態といったものを安定させることも大切です。スタッフに対してもセルフマネジメントを推奨し、具体的にどういった方法で取り組んでいけば良いのか伝えておくと良いでしょう。
いかがだったでしょうか。動物病院の院内マネジメントとは何か、どのようなメリット・方法があるのか解説しました。実践する際のポイントもご理解いただけたかと思います。
院内マネジメントにはさまざまなやり方があるので、まずは自院に合っているものはどれか判断し、1つずつ実践していくと良いでしょう。
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