これから動物病院を開業しようと思っている方にとって、開業に適した時期はいつなのか、よいタイミングを知りたいと思っている方は多いでしょう。大きな決断ですから、間違えたくないものです。
本記事では動物病院を開業するために知っておきたい、オープンのタイミングや時期について解説していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
動物病院を開業するのに適した時期は、1月や2月といった春先です。
人間が通う病院であれば、風邪が流行りやすい秋から冬にかけてがベストといわれるように、動物の動向に合わせて開業するのがベストでしょう。
動物の場合、冬は閑散期になりやすく、春に需要があるといわれています。そのため繁忙期の春に開業するもよし、春までにお客様を捕まえるために冬に開業するのもよしです。
開業までにかかる準備期間は、おおよそ3ヶ月程度です。これはあくまでも物件探しや内装のスケジュール、医療器具が滞りなく手元に届いた場合など、段取りよく進んだ場合です。
スタッフの招集が思い通りにいかなかったり、内装のスケジュールが押したりする可能性もあるので、余裕を持って半年くらいはかかると思っておくと安心でしょう。
ここからは開業までにしなければならないことを、具体的にご紹介します。
動物病院を開業するためには、必要書類を用意しなければなりません。例えば「診療施設開設届」「動物取扱業届出書」「X線装置設置届」などです。
これらの書類は獣医師の免許を持つ者が都道府県知事に提出しなければならなかったり、安全を保証する規定を守らなければならなかったり、と動物病院を開業するなら欠かせない項目となります。
入院などで動物を預かる可能性があるのかどうか、X線を用いて治療を行うのかどうかなど病院の方針が決まっているか否かで揃えるべき書類も変わるので要チェックです。
事業を始めるには、事業計画の策定が必要です。事業計画とは、銀行などの金融機関に融資をしてもらうために必要な書類で、事業の方針や規模感、事業で得られるであろう利益などを記載します。
事業計画を見て、融資する金額が返済可能であるかどうかなどを判断するのです。
事業計画が済んだら、土地や物件の選定を開始します。動物病院を開業しても需要があるエリアかどうか、土地勘や競合他社の状況などをよく調査し、決めていくことになるでしょう。
動物病院に限らず、腕がよい医師がいても立地が悪ければ患者は集まりにくくなります。
動物病院経営のカギを握る重要な要素なので、実際に該当エリアに足を運んでみるなどして徹底的に調べることが大切です。
自己資金がゼロの状態でも動物病院を開業することはできますが、融資審査には通りにくいことは明らかです。そのため動物病院を開業したいと思っているならば、数百万~1,000万円程度は自己資金を準備しておきましょう。
特に病院開業時に必須な医療機器は高額なものが多いです。金銭面のやりくりは動物病院経営の安定にもつながるので、しっかり準備しておくことが重要です。
動物病院の開業に適した年齢は、30代前半~40代前半にかけてといわれています。
というのも大学卒業後、すぐに開業するよりもまずは勤務医としての経験を積んだ方がスキルが身につくのはもちろん、自己資金を貯めることもできるからです。
また診る動物の種類が多ければそれなりの経験値がなければなりませんから、修業期間が必要といえます。
動物病院を開業したいと思っても、事務的な手続きなどしなければならないことはとても多いです。一人で行うのは不安…という方もいるでしょう。
ここからは動物病院を開業するときに相談できる相手についてご紹介していきます。
動物病院の開業を相談する相手として、最もおすすめなのが「動物病院の経営者」です。勤務医時代の経営者でもよいですし、身近に動物病院を経営している方がいればその方に相談してもよいでしょう。
実際に動物病院の開業を経験している方ですから、よりよい相談相手を提供してくれたり、開業時のアドバイスをしてくれたりします。
動物病院の経営者であれば誰でもよいというわけではなく、できれば経営状態が良いと思われる経営者やスタッフ離れがなく人材が定着している経営者がおすすめです。
動物病院の開業時の相談相手としておすすめは「税理士」です。税理士はその名の通り、税金についての専門家ですが、経営時に欠かせない資金繰りなどの相談にも乗ってくれます。
会社の資金について不安がある方は特におすすめです。できれば動物病院の開業に携わったことがある税理士さんだと安心ですね。
次におすすめしたい相談相手が「社会保険労務士」です。社会労務士とは、社労士と呼ばれることが多く、経営者と労働者の関係が円滑になるよう働きかけるなど、企業の中でも人材に関わってくる仕事。
人事周りについて不安がある方には特におすすめです。労働にまつわる法律への対応や雇用におけるサポートなどをしてくれます。
社会保険労務士についても、過去の実績で動物病院の開業に携わったことがある方が安心です。
最後におすすめする動物病院の開業時の相談相手が「コンサルタント」です。コンサルタントとは、クライアントとなる企業の問題解決に取り組むほか、会社の相談役になってくれるのが特徴的。
動物病院の開業にむけて、経営の方向性や利益を生むためのマーケティング戦略などを実践レベルでサポートしてくれます。
これまでご紹介したのは人事的なサポート、資金的なアドバイスなど少々限定的でしたが、コンサルタントは多角的に支援してくれるのがメリットです。
何から手を付けたらいいかわからない…!という方には特におすすめで、トータル的なサポートが受けられます。
関連記事:動物病院にコンサルタントは必要?役割や選び方を解説
今回は動物病院の開業時期について詳しくご紹介してきました。動物病院を開業するのは、春先がおすすめです。
冬は閑散期になるので、それが明ける春先をおすすめしますが、繫忙期に備えて冬に開業し、患者さんを取り込んでおくのも手です。
理想の開業時期にオープンできればよいものの、動物病院の開業には様々な準備と多くの資金が必要となります。準備万端な状態で開業するためにも、まずは焦らず、しなければならないことを精査していく判断力も大切です。
一人で進めていくことが不安な方は、適切な相談相手を見つけて、着実に取り組んでいきましょう。