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 動物病院で活用できる補助金・助成金 

公開日 2023.09.21 更新日 2023.10.02

動物病院で活用できる補助金・助成金

動物病院を開業するときに活用できる補助金・助成金をご存知でしょうか。
銀行をはじめとした金融機関から借り入れる融資とは異なり、補助金・助成金は返済の義務がないので、うまく活用できれば開業資金の手助けになってくれます。

 

本記事ではそんな動物病院開業時に使える補助金・助成金について詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

動物病院が活用できる補助金・助成金

世の中には様々なサービスや事業に向けた補助金・助成金がありますが、その中でも動物病院が活用できる補助金・助成金は「創業補助金」や「小規模事業者持続化補助金」などが対象です。

 

補助金も助成金もどちらにせよ国や民間団体などから支給されます。支給されるためには審査があり、それを通過しなければなりません。

 

関連記事:動物病院の開業資金は?資金調達の方法や必要書類を紹介

開業時に使える補助金・助成金

 

ここからは開業時に使える補助金・助成金についてご紹介していきます。

創業補助金

前述した動物病院開業時に使える補助金の一つが「創業補助金」です。創業補助金とは、その名の通り、創業したいと思ったときに誰でも申請できるのが特徴的。

 

補助率は50%・2分の1なので、後ほど紹介する「小規模事業者持続化補助金」よりは少ない割合です。

 

金額面でもある程度の制限があり、外部資金調達がある場合は50~200万円の補助となり、外部資金調達がない場合は50~100万円の補助となります。

 

またこれ以外にも補助金をもらい、事業が終わるまでにスタッフを1名雇用する必要があるので、個人事業主にとっては厳しい条件となるでしょう。ただ動物病院は1人でやるのはあまり考えられないので、そういった面では問題ないかもしれません。

小規模事業者持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」は、小規模の事業者が事業を発展させるため・ビジネスに取り組みやすくするための補助金です。創業補助金に比べると、補助率は3分の2と大きいものの、補助金の上限は50万円となっています。

 

常時スタッフが20人以下の法人・個人が申請することができます。規模の大きな動物病院では、常時20名以上の従業員が常駐していることもあり、そうなると申請しても通ることはないので注意が必要です。

 

小規模事業者持続化補助金の詳しい内容については、商工会議所地区「小規模事業者持続化補助金」をご覧ください。

設備投資に使える補助金・助成金

ここからは設備投資に使える補助金・助成金について紹介します。

 

動物病院は設備投資が欠かせない・お金がかかるもの。そのため、しっかりおさえてかしこく運営できるようにしたいものです。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、革新的なサービスや新しいサービス・商品開発などをはじめとした「ものづくり」を支援するものです。

 

製造業などを中心に活用される補助金といわれていますが、動物病院であっても内装工事や治療のための設備に適用できます。補助金の上限金額は1,000万円と大きく、企業の大小に合わせて3分の2〜2分の1程度です。

 

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の詳しい内容については、ものづくり補助金総合サイトをご覧ください。

事業再構築補助金

「事業再構築補助金」は、新型コロナウイルス感染症による影響で経済的に打撃を受けた事業者に向けて、事業転換や再編などを目的に設けられた補助金です。

 

従業員の数に合わせて補助金額が変動し、下記の2点を満たせば審査を受けることができます。

  • 2020年4月以降において連続する6ヶ月の中で3ヶ月の売上が2019年あるいは2020年1~3月における同じ3ヶ月の合計売上より10%以上減少している
  • 2020年10月10月以降において連続する6ヶ月の中で3ヶ月の合計売上がコロナ以前の同じ3ヶ月よりも5%以上減少している

動物病院でも活用できるほか、IT企業や製造業など幅広い業種で適用できるのも魅力です。

 

事業再構築補助金についての詳しい内容については、経済産業省「事業再構築補助金」をご覧ください。

人材育成に使える補助金・助成金

ここからは人材育成に使える補助金・助成金について解説していきます。

キャリアアップ助成金

「キャリアアップ助成金」は、企業内でのキャリアアップを促進するために、正社員以外の時短労働者や契約社員などの人材確保を目的とした助成金です。正社員へ促したり、処遇を再考したりといった取り組みが特徴的。

 

正社員化コースなどをはじめ、コースが大きく分けて7つあります。対象の人数に合わせて補助される金額が変わるなど細かい条件があるので、あらかじめチェックしておくことが大切です。

 

動物病院では、夜間勤務や緊急対応が必要なケースが多く、人員不足になりがちといわれています。そのため職場環境の安定、安定した人員確保を目指すうえで、活用しておきたい助成金といえるでしょう。

 

キャリアアップ助成金の詳しい内容については、厚生労働省のキャリアアップ助成金をご覧ください。

職場定着支援助成金

「職場定着支援助成金」は、事業者が従業員の離職率を抑え、その取り組みに対して支払われる助成金のことです。雇用管理の推進・魅力的な職場づくり・人材の確保などが主な目的とされています。

 

職場定着支援助成金には、少子高齢化の影響や若年層の離職率の高さなどが背景としてあり、それらの対策として生まれた助成制度です。支給金額は一律57万円、一定の要件を満たすと72万円まで増額されます。

 

支給の要件は下記2点です。

  • 3カ月以上1年以内の計画期間のもとで計画をつくる
  • 雇用管理制度整備計画書を含めた9つの書類と共に届け出る

職場定着支援助成金とは、申請における必要書類が多く、期限も設けられているので管理を徹底して行う必要があります。

 

職場定着支援助成金の詳しい内容については、厚生労働省「職場定着支援助成金」をご覧ください。

動物病院の開業時にも使える助成金・補助金がある

今回は動物病院の開業時に活用できる助成金・補助金についてご紹介してきました。動物病院のみが使える助成金・補助金はありませんが、中小企業や個人向けに設けられている助成金・補助金はあります。

 

もちろん融資などではなく、「もらえるお金」なので、申請に手間がかかったり、時間がかかったりするものです。審査などやり慣れていない方からすると、少々面倒ではあるものの、それでも設備投資に充てられたり、人員確保にあてられたりするのであれば、御の字。

 

ペット関連事業の需要はコロナ渦を過ぎても、まだまだ好調ですから、ぜひ活用を検討してみるとよいでしょう。

 

動物病院新規開業支援の有限会社ランタック